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豊商事の雑学講座~確認事項~

こんにちは、更新担当の中西です!

 

さて今回の豊商事の雑学講座

~確認事項~

ということで、浄化槽点検を行う前に必要な「事前確認事項」を5つの視点から詳しく解説し、点検の質を高め、維持管理をスムーズに進めるための実践的なガイドをお届けします。

 

衛生・環境・法律を守るための“点検前の心得”

浄化槽は、生活排水を微生物の力で処理し、自然に返す装置。
その健全な稼働は、地域の環境保全・公衆衛生・水質保護に直結する極めて重要なインフラです。

しかし、点検前の準備や確認不足によって、正しい機能確認ができなかったり、違反・事故につながる事例も少なくありません。


🧭 浄化槽の基礎知識を再確認

◯ 浄化槽の種類と目的

種類 特徴
単独処理浄化槽 トイレの排水のみ処理(※現在は設置不可)
合併処理浄化槽 トイレ+生活排水全般を処理(一般家庭の主流)

📌 合併処理浄化槽は設置義務があり、年1回の法定検査と定期点検・清掃が義務付けられています。


🧾 点検前に確認すべき「基本情報」

✅ 1. 浄化槽の設置情報と仕様書

  • 設置場所の図面・台帳(点検口の位置、フタの数)

  • 処理方式(接触ばっ気、嫌気ろ床、回分式など)

  • 人槽(何人用か)と使用開始年月

📌 古い機種では図面がないケースもあるため、現地確認が必要

✅ 2. 使用状況のヒアリング

  • 利用人数の変化(転居・増改築など)

  • 浄化槽に異常・異臭・音・詰まりなどの自覚症状

  • 前回の点検・清掃履歴、法定検査の実施状況


⚙ 点検作業の事前準備と現場確認

✅ 1. 点検作業の安全確認

  • 点検口の周囲に障害物がないか確認

  • フタの開閉が可能か?(腐食・重量に注意)

  • ガス抜きが必要な場合は一酸化炭素・硫化水素の検知器を準備

✅ 2. 機器・部材の持参確認

  • エアポンプの吐出圧測定器

  • 残留塩素測定キット(放流水確認用)

  • バキューム・ブロワー、補修部材(ホース、フィルター等)

📌 点検当日に「工具がない」「装置が開かない」という事態を防ぐには、現場調査と持ち物チェックリストが重要です。


🌧 点検スケジュールと天候の確認

✅ 1. 点検日時の調整

  • 雨天・大雨の直後は点検を避ける(流入水量が増え、誤検知の恐れ)

  • 朝一番や日没前後の点検は視認性・安全性に課題

✅ 2. 現場立ち会いの有無

  • 利用者または管理者の立ち会いが可能か

  • 鍵の管理(施錠されている場合)

📌 人が不在でフタが開けられない、敷地に入れないといった現地対応トラブルを防ぎましょう。


🔍 法令遵守と記録整理の確認

✅ 1. 点検対象の法的義務の確認

  • 清掃:年1回(市町村の許可業者が実施)

  • 点検:年3〜4回(保守点検業者が実施)

  • 法定検査(11条検査):年1回(指定検査機関)

✅ 2. 書類・記録管理

  • 点検報告書の様式確認(自治体によって異なる)

  • 前回の点検結果や是正指示事項の有無

  • 環境省・県条例等による特例基準や報告義務の確認

📌 記録の不備は、行政からの改善命令や罰則の対象となる場合があります。


✅ 浄化槽点検は「準備」で8割が決まる

浄化槽点検は、単なるメンテナンスではなく、
人々の生活環境を静かに支える“社会インフラ点検”です。

その品質は、点検当日の技術だけでなく、事前の確認と準備の精度に大きく左右されます。


📝 浄化槽点検の事前確認チェックリスト

カテゴリ チェック項目
設置情報 図面・人槽・型式・処理方式
使用状況 利用人数・異常有無・前回履歴
現地確認 フタの位置・周辺状況・危険箇所
機器準備 測定器・交換部品・安全装備
日時調整 天候・立ち会い有無・時間帯
法令確認 点検義務・報告書様式・記録保存