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豊商事の雑学講座~「見えないところで、街を洗っている。」~

こんにちは、更新担当の中西です!

 

さて今回の豊商事の雑学講座

~「見えないところで、街を洗っている。」~

 

きょうあなたが飲んだコーヒー☕、洗ったお皿️、流したお風呂。その“後始末”を、誰がどうやってやっているか知っていますか?
答えは——排水処理のプロたち。私たちは“流した瞬間に忘れる水”を、きれいな水と資源に戻す仕事をしています。


1|排水処理って何をしているの?やさしく一筆書き ️

  • 集める:家庭や工場から流れた水は、下水管や事業所の配管を通って処理施設へ。

  • すくう:最初にスクリーンで大きなゴミをキャッチ️

  • 沈める一次沈殿で砂・泥・重い汚れを沈める⤵️

  • 育てる:主役は微生物!エアレーションタンクで酸素を送り、微生物が有機物を“むしゃむしゃ”食べる️(活性汚泥法)

  • わける二次沈殿で“処理済みの水”と“微生物の塊”を分離。

  • 磨く:必要に応じて膜(MBR)や活性炭紫外線で仕上げ✨

  • 戻す/活かす:川や海へ戻したり、再利用水としてトイレ洗浄・散水・工業用水に♻️

ポイント:排水処理は化学+生物+機械+ITの総合格闘技。理科の授業が大集合です⚙️


2|“水を食べる”生き物たち:微生物の小さな大活躍

顕微鏡を覗くと、ゾウリムシミジンコの仲間、糸のような糸状菌など、ミクロの牧場が見えてきます。

  • ふつうの時:短い棒状の細菌(バチルス)が有機物を分解。

  • 脂っこい時:油を好む菌が増える。

  • 寒い時:代謝が落ちるので曝気や滞留時間を調整⛄

  • 臭い時:酸素不足のサイン。曝気量や撹拌を見直し。
    微生物の“顔つき”を見れば現場の健康状態がわかるんです。ちょっと可愛いでしょ?


3|“にごり”と“匂い”を数字で語る:モニタリングって大事

  • BOD/COD(汚れの量)

  • SS(浮いてる固形物)

  • pH・温度・溶存酸素(DO)

  • 窒素・りん(栄養塩)

  • においセンサー・ORP(酸化還元)
    これらをオンライン計測×クラウドで見える化。異常の前兆(エアレーションの泡の質、返送汚泥の色)もデータ+目視でキャッチします


4|“汚泥”は宝の山:燃やすだけじゃもったいない

処理の副産物である汚泥。実は——

  • メタン発酵発電

  • 堆肥化して緑地へ

  • リン回収で肥料原料に

  • 乾燥固形燃料として熱利用
    “汚れ”がエネルギーと資源に変わる。これがサーキュラーエコノミーの最前線です♻️


5|排水処理の“推しポイント”5連発

  1. 社会インフラの主役:止まると街が止まる。責任重大だけど、やりがいMAX。

  2. 技術の宝庫:膜、バイオ、IoT、AI、ポンプ、バルブ…技術好きには天国

  3. ニオイ問題を解決:活性炭・オゾン・バイオ蓋…“においを消す”のもプロの技。

  4. 災害に強くなる:非常用電源や雨天時運転で、街を守る盾️

  5. 地球にやさしい:脱炭素と水資源保全に直結。SDGsのど真ん中


6|家庭と企業が“ちょっと”変えるだけで世界が変わる

  • 油は流さず拭き取り→微生物の負担が激減。

  • 洗剤は適量→泡が少ないほど処理が安定

  • 工場は予備処理を強化(pH調整・油水分離)→本処理がラクに。

  • 雨水貯留・透水舗装→雨の日の“ドカ流れ”を抑制☔
    みんなの一手が、処理コストの低減水の質の安定に直結します


7|現場の“リアル”Q&A ❓

Q:臭くないの?
A:においは管理指標。発生=要改善のサイン。今は消臭・密閉・負圧換気でかなり快適です

Q:キツい仕事?
A:外仕事・夜間対応もあるけど、自動化・遠隔監視で働き方は進化中。安全教育も徹底

Q:キャリアは?
A:オペレーター→保全→設計→コンサル…専門性×社会性でキャリアは多彩


8|ミニケース:クラフトビール工房の排水を救え

糖とタンパクでBODが高い小規模ブルワリー。泡だらけで下水基準に苦戦…
対策:pH調整+凝集沈殿の小型装置→生物処理へ。さらにCIP洗浄を時間分散
結果:BOD▲85%、泡トラブルゼロ、再利用水で床清掃もOKに。
小さな工房でも、設計×運用でちゃんと良くなるのが排水処理の面白さ


9|まとめ:水は“流して終わり”じゃない

排水処理は、見えないところで街を洗う仕事。微生物という小さな仲間と、機械・データ・人の知恵で、汚れを価値に変えています。
今度どこかで“きれいな川”を見かけたら、その背景にいる無数のプロたちに思いを馳せてみてください。世界が少し優しく見えますよ